日中の視点から:中華精英会[China Elite Club]

1つのテーマについて日中両国の視点から「MY VIEW」を述べていただきます。
他人の意見から新たな発見を見つけ、自分の価値観を広めよう。

計画性の日本人と臨機応変の中国人 尹 健

Mon,January 14, 2013


数年前、ゴルフ帰りに北京三元橋で渋滞に嵌って、30分たっても全く動きがとれなかったことがありました。
当時同行していた日本人に「なぜ北京の地下鉄をもっと増やさないのか?」と質問されました。

私は「高層ビルを乱立しているから、地下鉄を掘りにくいのではないか」と答えながら東京の地下鉄を思い出し、逆に彼に質問をしました。

 「東京には高層ビルも多いのに、なぜ地下鉄をあんなに多く作ることができたのですか?」

 すると彼は、「東京の地下鉄計画は太平洋戦争以前に既に立てられており、戦争後一時中断した計画を再開したもので、高層ビルの建設計画はその後のことです。」と説明してくれました。

 私は当時、「日本人は計画性が高いなぁ」と改めて感心したことを今でも鮮明に覚えています。
日本人は昔から農耕民族で、また日本は山がちなため、耕地面積が限られ、生きるためには高い計画性が要求されます。

大量生産におけるトヨタのJUST IN TIME方式はその典型として日本に生まれたものです。一方、農耕漢民族が中心だった中国では、「元」、「清」などの遊牧民族の統治に伴い、中国全体の計画性が弱まったのではないかというのが、私の見解です。

そのため中国では「計画跟不上変化」との考え方が今でも根強く残っています。計画性の高い日本企業のトヨタでさえ臨機応変な中国人に合わせて「車到山前必有路、有路必有豊田車」というキャッチコピーを採用したのは有名な話で、中国人には計画性よりも遊牧民族のような臨機応変の能力が基本スキルとして求められています。

現在、激変の中国では、SARS、四川大地震、4兆元景気刺激策、賃上げストライキなど人的、非人的な突発事件が次々に発生し、人々の生活に深刻な影響を与え続けています。

このようなビジネス環境下においては、お互いに「中国人は計画性を持つべきだ」「日本人は頭が石のように固い」などと言い合うのではなく、グローバルビジネスパーソンとして「計画性」と「臨機応変」の両立を図っていくことが必要なのではないでしょうか。

これは、現在日中ビジネスの深刻な問題であると同時に、両国の将来にもかかわる死活問題でもあるのです。

Profile (コメント者プロフィール)
尹 健
(イン ケン)
■出身地
 中国・北京
■来日時期
 1994年10月
■現職
 日立製作所ソフトウェア事業部 
 (2010年10月末現在) 
■好きな漢字一文字
 「勤」

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